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【B.LEAGUE×ハウスメイト】 インタビュー
岡田 侑大
富山グラウジーズ #77
あくなき挑戦が、底知れぬ成長を予感させる
2020年10月2日、Bリーグの2020-21シーズンが開幕しました。
Bリーグのサポーティングカンパニーを務めるハウスメイトでは、開幕に先立ってBリーグ選手5名にインタビューをおこない、バスケットボールに対する熱い思いや、2020-21シーズンに向けての意気込みを伺いました。バスケットボールファンの方々はもちろん、あまり試合をご覧になったことがない方も、ぜひBリーグや選手の魅力にふれてください。
高校時代の敗戦が自分を変えた
プロ3シーズン目を迎えた22歳。まだ初々しさを感じさせるインタビューの最中、成長への渇望を率直に口にした。実際、岡田のこれまでのキャリアを振り返っても、高みを目指して思う存分自分を磨ける環境を選んできたことがわかる。
高校時代は関西屈指の強豪として知られる洛南高校ではなく、追う立場の東山高校に進み、「打倒洛南」を胸に攻撃的なバスケットボールを身につけた。2年時に洛南高校のインターハイ京都府予選45連覇を阻止。3年時は主将を務め、全国準優勝を果たしている。
「これまでのバスケ人生で、一番印象に残っているのが、高校3年時のウインターカップの決勝戦です」
ウインターカップは、インターハイ・国体と並んで高校バスケットボール三大大会の1つに数えられる。高校3年間の集大成として臨んだ決勝戦。日本一がかかった試合でも攻めのプレースタイルを貫いたが、福岡第一高校の堅いディフェンスに阻まれ、あと一歩のところで涙を飲んだ。
「もちろん、勝って終わるのがベストだったのですが、接戦で負けたことで、ハングリー精神を持って大学バスケに臨めました。次のステージではもっと活躍して、日本一になってやるという思いがわいてきたんです。この敗戦があったからこそ、Bリーグに挑戦するときも、大きな志を抱けたのだと思います」
高校卒業後は拓殖大学に進み、1年時から関東大学リーグ制覇に貢献。2年時の白鷗大学戦で挙げた1試合58得点のパフォーマンスは語り草になっているが、当時の岡田はまったく満足していなかった。むしろ、日本代表メンバーとして参加した国際試合のアメリカ戦での大敗や、チームメイトのアメリカ挑戦などを受け、「自分はこのままでいいのか」という焦燥感を抱いていたという。
「もっと上のレベルでやってみたいという思いが募り、Bリーグにチャレンジすることにしました」
岡田は大学を中退し、20歳でプロの世界に飛び込んだ。大学卒業後にプロの門を叩く選手が大半を占めるなか、岡田にはその時間が惜しかった。
「高校や大学と違って、Bリーグはバスケにすべてをかけている人たちが集まる舞台なので、すごく良い刺激になりました」
2018年11月、シーホース三河に加わった岡田は、入団発表の翌日にデビュー戦を迎え、そこで初得点も記録した。スターターとして出場する機会が増えると、磨き続けたオフェンスで本領を発揮。ルーキーらしからぬ強気のプレーを見せ、堂々たる新人賞に輝いた。
自分らしさを貫くシーズンに
2年目の2019-20シーズンも活躍が期待されたが、ヘッドコーチに求められたプレーと、自分のやりたいプレーの差を感じるなど、うまく歯車が噛み合わなかったという。悩み、あがいているうちに、コロナ禍に見舞われ、不完全燃焼のままシーズンが終わってしまった。
「昨シーズンはモヤモヤした気持ちで終わったので、今シーズンは開幕から『やってやろう!』と意気込んでいるんです」
心機一転、所属チームも変わることになった。いくつかのオファーがあったなか、富山グラウジーズを選んだ理由に、岡田らしさがあふれている。
「一番大きな理由は、富山グラウジーズが東地区だったということです。アルバルク東京や千葉ジェッツ、宇都宮ブレックスといった強豪チームがひしめき、日本代表選手も多い。僕は守るよりも攻めるほうが好きなので、地方のチームで、強豪チームと戦いたいと思ったんです」
積極果敢なオフェンスを信条とする岡田だが、昨シーズンは迷いながらシュートを打つことも多かったという。
「自分らしさを貫くべきなのか、チームプレーに徹するべきなのか、すごく悩んだシーズンでした。じつは富山に移籍してからも迷いはあったのですが、ポイントガードの宇都(直輝)さんに相談したら、『自分らしさを貫いていいよ』といってもらえたんです。その言葉で、気持ちがぐっと楽になりました」
チームとの相互理解のもと、いかに自分らしさを貫き、いかにチームの勝利へと還元していくかが、今シーズンの大きなテーマになりそうだ。
「いま一番達成したい目標は、Bリーグで優勝することです。日本一は、これまでどの舞台でも達成できていないので、富山で優勝できれば最高ですね」
新チームに合流したばかりの2020年7月中旬、開幕が楽しみで仕方ないといった様子の岡田に、ふと「バスケを嫌いになったことは?」と聞いてみた。
「それは、いまです(笑)。いま、すごく走り込んでいるので。自分に必要だから走っているのですが、それでもしんどいと思います」
茶目っ気たっぷりに話しながらも、岡田はこう付け加えた。
「僕はすぐ結果を求めてしまいそうになるのですが、しっかり過程があって結果を出すことが理想で、そこは大事にしています」
自分をより成長させてくれるステージに貪欲に挑戦してきた岡田だが、その道のりは決して一足飛びではなく、一歩一歩を大切に積んできた足跡が残っている。新天地で腕を撫す挑戦者の迷いなきプレーに期待したい。
プロフィール
岡田侑大(おかだ・ゆうた)
1998年、京都府生まれ。189㎝、80kg。東山高校2年時にインターハイベスト4、3年時には主将としてチームを全国準優勝に導き、自身も得点王(ウインターカップ)に輝く。拓殖大学でも関東大学リーグ制覇などに貢献し、2年時に中退してBリーグのシーホース三河に加入すると新人王を獲得。2020-21シーズンより富山グラウジーズでプレーする。
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