【暮らしに役立つ心理学】 LIFE+1

2021年3月15日

お部屋の片付けがみるみる進む心理学

3月といえば、引っ越しシーズンですね。新年度を機に、お部屋を片付けようと計画している人も多いのではないでしょうか。
でも、引っ越しの準備やお部屋の片付けは、なかなか計画通りに進まないもの。ものごとが計画通りに進まなかったり、計画倒れになったりする現象は、心理学でも「計画錯誤」として研究されています。

カナダの大学でおこなわれた実験では、学生に「自分が宿題を終える時期」を予測させています。学生たちは「5日後に自分が宿題を終えている確率は50%だ」「7日後だったら75%の確率で終わっているはず」などと予測したのですが、50%の確率で宿題を終えているはずの日に、実際に宿題を提出できた学生は全体の13%しかいませんでした。75%の確率で終えているはずの日まで待っても、宿題を提出できた学生は全体の20%以下にとどまったのです。

その原因として、人は計画を立てるときに、未来の見通しに対し、楽観的になりやすいことが挙げられています。計画錯誤を防ぐには、未来ではなく、過去に注目することが大切。新しい部屋で快適に過ごす「未来の自分」を思い浮かべる前に、片付けが全然終わらなかった「過去の自分」を思い出せば、現実的な計画を立てられるでしょう。


現実的な計画を立てても、うまく進まないことは多々あります。その原因の最たるものは、「やろうと思っているのに、手をつけられない」という実行力のなさでしょう。

実行力を高めるには、「パブリック・コミットメント(公的な約束)」が有効です。「部屋の片付けを○日までにやる!」と、みんなの前で宣言するのです。ただ宣言するだけではなく、それを紙に書いて、家族の目にふれる場所に貼っておくのもよいでしょう。ひとり暮らしの人は、恋人や親友に宣言してはどうでしょうか。自分が大切に思っている相手ほど、宣言の効果は高まります。「あの人は約束を守れない」などと思われたくないからです。

なにかをやり遂げたいときは、不言実行ではなく、有言実行がおすすめです。すてきな新生活を送るために、やろうと思っていることを高らかに宣言しましょう。

illustration:タダトモミ

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