【社宅規定×運用】 社宅情報

2021年4月16日

第3回 築年数について

社宅の規定と運用を考える社宅の規定や運用に悩むご担当者様のため、様々なデータや記事を、ハウスメイトが培った豊富な実務経験を元に読み解く本カテゴリ第3回、今回は築年数について考えたいと思います。
築年数そのものが社宅規定に明記されていることは稀ですが、前回の償却敷金同様、『規定に明記はされていないけど、別途設定あり』なことも多く、運用面で避けては通れないテーマです。

 

社宅の物件決定者は、入居者?それとも社宅担当者?

下記のグラフは、株式会社労務研究所の『旬刊福利厚生』より、物件を探すのは会社か入居者かの割合です。

03-01_物件の探し方

物件を探すのがご入居者の場合、お部屋探しで『築浅希望』『絶対新築がいい!』といったご依頼も少なくありません。
また、探すのが社宅担当者様の場合も、セキュリティや設備は築浅物件の方がしっかりしているケースが多いので、社員様のため『築●年まで』と指定の上ご依頼をいただくケースが多いです。

しかしながら、国土交通省のデータを見ると、新築物件の戸数は社会情勢の変化を受けながら減少傾向にあるのをご存知でしょうか?

築浅物件の供給量は、長期トレンドで見ると減少傾向?

03-02_新築住宅着工戸数の推移

(↑クリックすると大きくなります)

注目していただきたいのがグラフ一番上、ピンク色の『貸家』の部分です。
リーマンショックのあった翌年の2009年に大きく落ち込み、更に翌年の2010年には30万戸を下回っています。
その後、徐々に回復しながら2016年に再び40万戸を上回るも、消費税率改定のあった2019年には34万戸、そして2020年、コロナウイルスが流行した影響も大きく、再び30万戸まで落ち込んでいます。
このグラフは『着工』時点のデータなので、竣工までのタイムラグがあるのですが、それを抜きに計算してみると

・2010年末時点で、築10年以内(2001~2010年着工)の物件数合計は438万戸
・2020年末時点で、築10年以内(2011~2020年着工)の物件数合計は359万戸  79万戸の減少!

と、供給物件数が長期トレンドで減少していることが分かります。
なかなか79万戸と聞いても規模感が分かりませんが、2015年の長野県世帯数が81万戸なので、日本全国で長野県の世帯数位、築10年以内の物件が減ってしまったことになります。

『需要が減ったから供給数が減ったのでは?』と思われる方もいると思うので、次は世帯数の推移を見てみましょう。

世帯数の推移と将来推定

日本の人口が減少傾向に入ったことは昨今の報道でご存知だと思いますが、
世帯数は単身世帯や外国人住民の増加により、2020年まで増加傾向が続いていました。
国立社会保障・人口問題研究所の『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(H30)年推計)だと、日本の世帯数は2023年まで増加が続き、5,419万世帯をピークに、その後減少トレンドに入ると推計されています。

03-03_人口・世帯の将来推定
ただ、世帯数が減少トレンドに入っても、その影響で『物件あまり』の状態になるのは、

・競争力のある物件(築浅物件・築年は古くともしっかりリノベーションを行っている物件) ではなく、
・競争力のない物件(築年が古く、メンテナンスが不十分な物件) であると推測されます。

世帯数が減少傾向になっても『築浅がいい』というニーズは根強いので、今後の供給量によっては、他の条件を満たす築浅物件に出会い辛くなるかもしれません。

さて次に、築年数を物件強度の面で見ていきましょう。

その物件、旧耐震?新耐震?

建築基準法では、『耐震基準』と呼ばれる地震に対する建築物の耐久構造の基準が定められています。

1978(S53)年の宮城県沖地震の被害が甚大だったことを受け、1981(S56)年に耐震基準の大規模な見直しがあり、1981年6月1日以降に適用されている耐震基準を『新耐震基準』、それより前に適用されていた基準を『旧耐震基準』と呼ぶようになりました。

具体的にどのように変わったかというと、

・旧耐震基準

震度5程度の地震に耐えられる

・新耐震基準 

震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊しないことが求めれる

となっており、この新耐震基準は2000年に木造住宅に関する改正を経ながら、2021年現在でも考え方の基準となっています。

ここで注意が必要な点が、基準となる日が『建築確認を受けた日』であり、完成日ではない点です。

建物は建築確認~着工~竣工までタイムラグが存在し、対象の物件が旧耐震基準で建てられた物件なのか、新耐震基準で建てられた物件なのか、実は賃貸契約の場合は募集図面に記載がないため、事前に確認が取りづらい事項です。

けして旧耐震基準で建てられた建物全てを否定するものではなく、しっかりとお金をかけて現在の基準を上回るような強度で建てられたマンションも多く存在します。

しかしながら募集図面上明記されておらず、お部屋探しの段階では明確に分からない情報ですので、おおよその目安として1983年以降竣工の物件でお探しになるお客様が多い傾向にあります。

世帯数減の時代に備える不動産業界

もうすぐ国内世帯数の減少トレンドに入るということもあり、不動産賃貸業界では危機意識が強いです。
『築浅でなくても物件に競争力を!』と、

・リノベーションで入居者ニーズの高い間取りに変更する
・設備を最新のものに交換する

等、様々な工夫がなされております。

↓おすすめ記事

(特集)2020年人気設備ランキング(全国賃貸住宅新聞第1433号)

もしお探しのエリアでなかなかいい物件が出ない時は、新耐震の範囲内で築年の条件を緩和してみると、思わぬいい物件に巡り合えるかもしれませんよ。

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