【観光列車の旅】佐賀県・長崎県で２列車が運行スタート！
JR九州「ふたつ星４０４７」／ JR九州 西九州新幹線「かもめ」

「ななつ星in九州」や「36 ぷらす 3」など個性豊かな列車が走る九州で、2022年秋から水戸岡鋭治氏のデザインによる新たな２列車が開業します。これまでよりぐっと行きやすくなった嬉野温泉、見どころ盛りだくさんの長崎といった沿線エリアを、新列車で旅してみませんか。

JR九州「ふたつ星４０４７」

2022年9月23日、九州の観光における“ふたつの星”である佐賀県と長崎県を、キハ40、47形の車両で巡る新たな観光列車「ふたつ星４０４７」が誕生。「西九州の海めぐり列車」をコンセプトに、武雄温泉駅～長崎駅間をJR長崎本線経由の午前便、JR大村線経由の午後便で運行します。内陸ルートを走る西九州新幹線に対して、有明海や大村湾といった佐賀県・長崎県の変化に富んだ海の車窓を楽しめます。ふたつの運行ルートを合わせると西九州エリアをぐるりと一周できるので、海景色目当てに乗り比べてみるのも一興です。

指定席車２両とフリースペースのラウンジ車１両からなる３両編成。🄫 Don Design Associates

２号車は１両すべてを共用スペースとして、「ラウンジ４０（よんまる）」を設置。ゆったりと寛げるソファ席やカウンター席で沿線の風景に浸れる。🄫 Don Design Associates

２号車「ラウンジ４０」の大きな販売カウンターを配したビュッフェコーナーでは、客室乗務員により沿線のグルメや「ふたつ星４０４７」のオリジナル商品を販売します。武雄温泉駅にあるカイロ堂が手掛けた、午前便限定のオリジナル弁当「特製ふたつ星弁当」（公式HPより要予約）はぜひ味わいたいですね。

有明海ののりと佐賀牛を使用した二段重の「特製ふたつ星弁当」2800円（写真右）。すき焼き風に味付けされた佐賀牛が楽しめるのり弁「4047弁当」1600円（写真左）。（写真提供：JR九州）※写真はイメージ。

長崎県雲仙市の小浜にあるアール・サンク・ファミーユが作るアイスソルベ。「ふたつ星４０４７」のオリジナルフレーバーのほか、豊富なメニューから季節ごとに商品をセレクトして販売。（写真提供：JR九州）※写真はイメージ。

佐賀県嬉野市で４代続く茶農家・副島園の協力のもと、「ふたつ星４０４７」専用茶畑で収穫した茶葉のみを使用した「ふたつ星うれしの茶」。天然玉露の鮮やかな色彩とまろやかな風味をお試しあれ。（写真提供：JR九州）※写真はイメージ。

海景色を彩るとびきり可愛いバス停に注目！

沿線に広がる有明海や大村湾の変化に富んだ海の車窓が「ふたつ星４０４７」の魅力ですが、午前便では多良駅以降、小長井町の線路近くを走る国道207号の海沿いでこんな可愛いバス停が見られます。

一番人気はメロンの井崎バス停。その前にはイチゴのバス停もある。（写真提供：諫早市小長井支所）

イチゴやメロン、ミカンなど全５種類16基のフルーツを模したバス停のうち、14基が国道207号沿いにあります。すべてを車内から観賞することは難しいですが、人気の高い井崎バス停や平原バス停は見られるかも。穏やかな有明海の風景と合わせて楽しみましょう。

JR九州 西九州新幹線「かもめ」

「ふたつ星４０４７」と同日の2022年9月23日、佐賀県・武雄温泉駅～長崎県・長崎駅を結ぶ西九州新幹線「かもめ」が運行を開始します。武雄温泉駅から在来線特急を利用することで、博多駅〜長崎駅間は最速1時間20分となります。列車は「九州らしいオンリーワンの車両」をコンセプトに、エクステリアにはJR九州のコーポレートカラーである赤を配色。くっきりと鮮やかなラインが印象的です。また、クラシカルとモダンを組み合わせた和洋折衷の車内空間も注目を集めています。新設されたルートでは、途中停車駅として嬉野温泉駅、新大村駅、諌早駅を予定。そのうち嬉野温泉駅と新大村駅は、西九州新幹線開業にともない新たに建設されました。

長崎行きの特急列車として約60年間親しまれてきた「かもめ」の名称を引き継いでいる。（写真提供：JR九州）

軽やかな曲木のラインと唐草模様の座席が美しい指定席車両。（写真提供：JR九州）

鮮やかな色彩の座席が目を引く自由席車両。（写真提供：JR九州）

行ってみたい！沿線スポット

JR武雄温泉駅（佐賀県）

西九州新幹線「かもめ」、「ふたつ星４０４７」（午前便）の起点となる武雄温泉駅。駅より徒歩15分の場所にある武雄温泉 元湯は、1300年の歴史ある温泉です。肌に柔らかなアルカリ単純泉の立ち寄り湯はもちろん、国の重要文化財に指定された武雄温泉のシンボル・楼門、武雄温泉の歴史が展示された武雄温泉新館にもぜひ立ち寄りたい！

1915年に完成した武雄温泉楼門。竜宮城を思わせるような鮮やかな色彩と形は、東京駅を設計した辰野金吾氏が手がけたもの。東京駅南北ドームの天井にある8つの干支とこちらの楼門の4つの干支を合わせると十二支が揃う。（写真提供：佐賀県観光連盟）

大正初期の建築を今に復元した武雄温泉新館。当時の大衆浴場や大正天皇のために造られたという浴室も見学できる。（写真提供：佐賀県観光連盟）

JR嬉野温泉駅（佐賀県）

新駅建設でアクセスが格段によくなった嬉野温泉。まるで美容液のようにヌルヌルとした肌ざわりの湯は、日本三大美肌の湯の一つとして知られています。武雄温泉同様に歴史は古く、713年編纂の『肥前国風土記』に嬉野温泉の記載があったそう。JR武雄温泉駅からひと駅のため、2つの温泉地巡りもできます。こちらの日帰り入浴でおすすめなのは、嬉野温泉公衆浴場シーボルトの湯。木造２階建て、大正ロマン風のゴシック建築物で、オレンジ色の屋根が特徴的な浴場は、1924年～2005年に営業していた古湯温泉を復活させたものです。

男女別の浴槽と５つの貸切風呂がある嬉野温泉公衆浴場シーボルトの湯。（写真提供：佐賀県観光連盟）

メインストリート沿い、湯遊広場にあるシーボルトのあし湯。嬉野温泉には、ぬめりのある泉質を手軽に楽しめる足湯が計３カ所ある。（写真提供：佐賀県観光連盟）

JRハウステンボス駅（長崎県）

ヨーロッパのような街並みが広大な敷地に広がるハウステンボスは、日本最大級のテーマパーク。バラをはじめ園内で色とりどりに咲く花々や1300万級のイルミネーションがきらめく「光の王国」、季節に合わせて行われるさまざまなイベントに酔いしれましょう。

季節によって姿を変えるイルミネーションや3Dプロジェクションマッピングなど、一夜ではすべてを見つくせないほど多くの見どころがある「光の王国」。

2022年9月10日（土）～11月4日（金）は「花の街のハロウィーン～秋の大収穫祭～」と称して、ハロウィーン＆ワイン祭を開催。陽気な音楽に包まれた街でワインや旬の味覚を堪能できる。アヒージョなどワインにぴったりのメニューのほか、巨大なパエリアも登場！

10月8日（土）にはハウステンボス開業30周年を祝して、尺玉30連発ほか2万2000発の花火が夜空に打ち上がる「九州一大花火まつり」が行われる。

JR長崎駅（長崎県）

「ふたつ星４０４７」と西九州新幹線「かもめ」の終着駅である長崎駅。鎖国下で唯一交易が許された港町・長崎は、異国情緒あふれる見どころがいっぱいです。2018年登録の世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の１つである大浦天主堂、日本最古の木造洋風建築・旧グラバー住宅と、歴史的にも文化的にも見ごたえのあるスポットが揃います。

幕末の開国時に来日した外国人のために、1864年に建てられた大浦天主堂。中世ヨーロッパを代表するゴシック様式で、現存する日本最古の教会建築。聖堂内のステンドグラスの中には、約100年前のものもある。（写真提供：長崎県観光連盟　※写真掲載に当たっては大浦天主堂の許可をいただいています）

世界遺産の旧グラバー住宅をはじめ、全９棟の洋風建築を見学できるグラバー園。旧グラバー住宅は、 2021年に約半世紀ぶりの大規模な改修工事を完了し、室内展示も一新。古写真をもとに再現した部屋が登場し、当時の様子を知ることができる。また、長崎独特の坂の地形と四季折々に咲く花々も楽しめる。（写真提供：長崎県観光連盟）

平地が少なく、山の斜面に街が広がる長崎市ならではの夜景が鑑賞できる稲佐山（いなさやま）展望台。2021年に上海・モナコとともに「世界新三大夜景」に再認定された立体的な情景は、「1000万ドルの夜景」と称されている。（写真提供：長崎県観光連盟）

JR九州「ふたつ星４０４７（よんまるよんなな）」

【区間】
午前便：JR武雄温泉駅→JR長崎駅（長崎本線経由）
午後便：JR長崎駅→JR武雄温泉駅（大村線経由）
【料金】（全席指定席）
午前便：JR武雄温泉駅→JR長崎駅　4180円
　　　　JR江北（肥前山口）駅→JR長崎駅　3410円
午後便：JR長崎駅→JR武雄温泉駅　4500円
　　　　JR長崎駅→JRハウステンボス駅　3030円
※大人１名が通常期に利用した場合の普通運賃と指定席特急料金の合計額です。
【運行日】
金～月曜日・祝日を中心に各ルート１日１便
https://www.jrkyushu.co.jp/train/futatsuboshi/

JR九州 西九州新幹線「かもめ」

【区間】西九州新幹線・JR武雄温泉駅～西九州新幹線・JR長崎駅
【料金】JR武雄温泉駅～JR長崎駅　片道運賃＋指定席料金3600円
【運行日】１日あたり47本運行
https://www.jrkyushu.co.jp/train/nishikyushu/

※価格には消費税が含まれています。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お出かけの際は各自治体などの最新情報をご確認ください。