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消費の主役となる若者たちの頭の中をのぞいてみよう!Z世代的賃貸思考

消費の主役となる若者たちの頭の中をのぞいてみよう!Z世代的賃貸思考

“Z(ゼット)世代”─ ─。最近よく耳にする言葉です。年齢的には13歳から28歳を指し、主に1995年から2010年に生まれた世代で、若者の象徴のように捉えられています。

Z世代より年上の世代(大人世代)とは思考も生活習慣も大きく異なり、理解しにくい世代と言われがちですが、進学や就職をきっかけに部屋探しを行う年代と重なり、実は物件オーナーやハウスメイトとの接点が多いとも言えます。

今回は、Z世代を研究するシンクタンク「Z総研」にお話を伺い、この世代の若者たちがどのように賃貸住宅を探し、どのようなお部屋を選んでいるのかを探ってみました。物件オーナーの賃貸経営に役立つ、Z世代のリアルをお届けします!

お部屋を探す時もデジタルを上手に使う

Z世代は別名“デジタルネイティブ”とも言われます。生まれた時からインターネットやデジタル機器が身近にあり、ICT(情報通信技術)に慣れ親しんだこの世代は、何でも“スマホひとつで完結させる”ところが特徴のひとつです。

「インターネットで調べ物をする時は、Googleなどの検索エンジンは使わず、TikTokやYouTube、InstagramといったSNSを活用する人が多いようです。スマホを使いこなすのが得意で、あらゆる情報に関して複数のサイトや口コミをもとに比較検討することが当たり前になっています」(Z総研)

お部屋探しにおいても、インターネットを駆使して情報を収集するそうで、良い情報だけを鵜呑みにせず、マイナス面やデメリットについても口コミをよく見て、情報の精度を高めようとするのがZ世代流と言えそうです。

「来店する前に企業のイメージを調べるだけでなく、過去に来店した人のレビュー(批評)もチェックします。最近は、ルームツアー動画(※1)などをチェックする人も多いです」(Z総研)

※1 YouTubeやTikTokで部屋を紹介する動画のこと。不動産会社が作っているものと、一般の顧客が作っているものがある。

こうした行動の根底にあるのは、“失敗したくない”“無駄な時間をかけたくない”というZ世代特有の心理です。見たい部屋を絞り込み、不動産会社の評判をよく知った上で来店する傾向が強いと言えます。このため、仲介業者や管理業者の知名度や実績も、安心感につながるそうです。また、入居者に対するサポートが充実しているか否かも、物件選びのポイントになりそうです。

そのため、真摯に向き合う企業・ブランドだと感じてもらえるような情報を発信し、Z世代に寄り添うことが大切です。

賃貸経営において存在感を増すZ世代

Z世代はとにかく“コスパ(コストパフォーマンス)”や“タイパ(タイムパフォーマンス)”を重視する人が多く、物事にかけた費用や時間に対し、どの程度の効果があるかを重視する傾向があります。大人世代から見ると、自分たちとは異なる印象を持つ方もいるでしょう。

「同調圧力や慣習に流されず、自分がありたい姿を重んじそれを優先するなど、Z世代の価値観は従来の“当たり前”とは違う部分が少なくありません。また、大人世代からの“若者=Z世代と一括りにして、個人個人を見ないこと”には強い嫌悪感を抱いているようです」(Z総研)

お部屋をご案内する時などに、一人ひとりの個性や価値観に向き合うことの大切さは、どの世代であっても変わりませんが、Z総研は、「あと数年で消費の中心がZ世代に移り変わるため、Z世代の趣味嗜好や新しい生活様式を理解することは、ますます重要になる」と分析します。

データから読み解くZ世代に選ばれるお部屋

ここからは、Z総研のお話をもとに、Z世代に選ばれやすいお部屋を考察してみました。面白かったのは築年数で、Z総研の調査によると、「あまり気にしない」という回答が多かった点。これは“昭和レトロ”に対する憧れと、“リノベーション”という言葉が浸透したことによるものです。築年数が古くても、中がカッコよくリフォームされていれば、その分お得に住めると考えるのでしょう。

立地は、「駅からある程度遠くてもよい」と許容範囲は広いようです。動画やSNSを楽しむ人が多く、インターネット環境は必須です。また、デジタル機器をいくつも持つため、コンセントの数も重要。防犯に対する意識も高く、オートロックやモニター付きインターホンのある物件は安心感を持ってもらえます。

以上のような傾向から、理想を追い求めるのではなく、現実的かつ合理的な条件を見据えてお部屋選びをする人が多いようです。物件を提供する側としても、工夫の余地は大きいと言えるでしょう。

Z世代の仰天行動

“失敗したくない”“無駄なことをしたくない”の思いが先行する、Z世代!

その心理は鑑賞する映画選びにも発揮されます。というのも、口コミなどで面白いかどうか、評判が良いかどうかを先にチェックし、時には結末を知ってでも慎重に観るかを判断するとか。さらに観る時は倍速再生が当たり前。少ない時間でたくさんの本数を観るのだそうです。

大人世代にはこの行動、ちょっと信じがたい?!

毎年家賃アップに成功する2代目オーナーさんに学ぶ!
Z世代のハートを掴んだ設備はコレ!

毎年、賃貸住宅業界では、業界新聞やポータルサイト各社が「入居者に人気の設備ランキング」を発表しています。上位にはインターネット無料やオートロック、防犯カメラなどおなじみの設備がランクインするのが恒例になっています。

しかし、私たち編集部はあえて、ランキングには載っていないけど実はとっても喜ばれる“知る人ぞ知る人気設備”の取材を敢行。1200名のオーナーが加盟する「賃貸UP-DATE実行委員会」会長の越水隆裕さんに協力を得て、過去の経験から、リアルに入居者のハートを掴んだZ世代に人気の設備を教えてもらいました!

賃貸オーナー
越水 隆裕さん

人気設備その1
独立洗面台(女優ミラー付きならなおGood)

自撮りや動画撮影など、常にカメラを向けられることに慣れているZ世代。男女ともに美容意識が高くメイクをバッチリキメるために独立洗面台を求める声は大きいです。さらには女優ミラーが付いていたらなおGood!女優ミラーは、冷光、自然光、暖光などの光を調整できるのが特徴です。

人気設備その2
室内物干し

最近は花粉症やPM2.5などの影響から洗濯物を外に干したくない、という層が多く、室内物干しが付いているととても喜ばれます。後付けで簡単に設置でき、使用しない時は、レールを収納できるタイプもあるため見た目もスッキリ。

人気設備その3
照明

照明にこだわりたい人も中にはいますが、圧倒的に最初から付いていたら嬉しい、という人が多数派。一人暮らしだと、買いに行くのが大変、脚立がないと設置できない、といった声もあり、照明はどこにでもある商品のわりにハートを掴む効果はとても高いです。

人気設備その4
USBジャック

後付けでコンセントを増やすなら、その一部はUSBジャックにするのがおすすめです。パッと見の印象も良いですし、「この物件、進んでる!」というイメージを与えられます。最近は、飛行機でも新幹線でも新型機や新型車両であればシートにはこのUSBジャックが付設されています。もし電気工事が負担であればコンセントタイプもあるので代用してもいいですね。

人気設備その5
キッチン周りのコンセント

とにかく“時短”がイマドキの暮らしのキーワード。ハンドミキサーや、電気圧力鍋、ジューサーなどを日常的に使っているため、キッチン周りにはコンセントが必須。スマホでレシピ動画を見ながら料理をするという若者も多く、冷蔵庫用のコンセントだけでは足りないんです!

人気設備その6
アクセントクロス

室内のある一つの壁だけをアクセントクロスにするリフォームが大人気!なんといってもパッと目に入ってくるインパクトと、オンライン会議や動画配信の時に背景にある“映え感”が若い層から支持されています! 最近は模様やデザインの種類も豊富で、室内にいるのに、海辺のビーチにいるかのようなクロスもあります。ついつい友達に自慢したくなる部屋が、アクセントクロスで簡単に作れるんです。

Z世代にとって当たり前の設備は生まれた時から実家にあったもの?!

国連の統計によると、Z世代は、世界人口77億人の32%を占め、世代としては最も多い世代になるそうです。これからの消費を担っていく中心的存在とも言えます。今回はそうしたZ世代の頭の中を少しだけ覗かせていただき、賃貸経営のヒントを探りました。中でも、ライフステージに応じて、賃貸住宅のようにフレキシブルに住まいを変更できる暮らしを望む声が多かったことは、プラスの発見となりました。賃貸経営は長期に及ぶものだからこそ、顧客となる層のニーズの移り変わりに最も敏感であることが求められる事業なのかもしれません。

お話を聞いた越水さんも、自分たちが社会に出た20年前には贅沢だと言われた設備、追い焚き機能、浴室換気乾燥機、食器洗い機が、Z世代には当たり前の設備になっていると話しました。なぜならそれらは、生まれた時から実家にあったものだからです。

かつて3C(※2)が流行した時代があったように、時代のニーズは移り変わります。全てを取り入れる必要はありませんが、どんな設備が人気なのか、情報だけは欠かさずチェックしておきたいですね。

※2 1950年〜60年代の高度経済成長期に憧れられた、「3種の神器」…白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の家電3品目。「3C」…1960年代に普及したカラーテレビ、クーラー、自動車(Car)などを指す。

取材・執筆:株式会社Hello News

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