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【地域の賃貸慣習】番外編ー全国の敷引き発生率 長期推移について

【地域の賃貸慣習】番外編ー全国の敷引き発生率 長期推移について

賃貸管理を主幹事業とする“ハウスメイト”だからこそわかる、地域ごとの「賃貸不動産」の特徴をお届けする本コーナー。

前回の大阪賃貸慣習において、「敷引(償却)契約」を取り上げたところ、他のエリアではどういった傾向にあるのか取り上げて欲しいというご要望をいただきました。

今回は12年間・20万件以上の実績データを元に、全国の敷引(償却)契約の長期トレンド・エリア特性について解説させていただきます。

※今回ご紹介するデータは、法人契約を締結した物件に限られるため、一般市場とは異なる傾向となる可能性もあります。また2020年以降のデータは、コロナ禍による影響を受けている可能性が高いため、参考としてご覧ください。

敷引(償却)契約の長期トレンドについて

各エリアにおいて契約した物件の内、敷金償却が発生している確率を、各エリアを3ヶ年単位で区切り集計しました。

以下のグラフをご覧ください。

(※ペット飼育の際に余分に預け入れる敷金の償却等、特殊な事情から償却扱いとなったケースも含まれます)


全体的に減少傾向にありますが、一つ一つポイントを見ていきましょう。

元々発生頻度の高かった、近畿、四国、九州・沖縄は大きく減少しております。減少幅でいうと、2020年~2012年から直近2019年~2021年で、近畿8.3%、四国10.0%、九州・沖縄9.0%の減少、直近で一番発生頻度の高い九州でも、全体で8.4%の発生確率です。

今回、唯一増加傾向にあったのが首都圏エリアです。本連載第1回で

『東京都の一部地域(品川区や港区)では、高額な物件や分譲賃貸の場合、償却契約となっている場合も見受けられます』

とご紹介させていただきましたが、少しずつ発生頻度が高くなっているのが分かります。


東海エリアでは『内装工事負担金』『補修費分担金』等、退去後の原状回復費用等に充てるため、契約時に一定の金額をあらかじめ負担するケースが多く見受けられます。契約時に支払うクリーニング代と同じ扱いをされるケースが多い一方、一部の弊社クライアント様から、この場合の計上方法を敷金償却と一緒に取り扱って欲しいとご要望いただくケースがあるため、増減が少なく推移しております。

次に、一番高い九州・沖縄エリアを県ごとに見ていきましょう。

九州・沖縄エリア 県別の発生頻度

これも県ごとにばらつきが見られました。

突出して多いのが長崎県と鹿児島県ですが、長崎県は微減傾向にあるのに対し、鹿児島県は増加傾向にあります。

鹿児島県では、鹿児島市で敷金償却が発生する確率が高いのですが、特にマンションタイプだと確率が高くなります。ご入居者がマンションタイプを好まれる傾向が高くなってきており、かつ従業員満足度を向上させたい企業様のご意向が反映したものと推察されます。鹿児島市では桜島の火山灰を避けるため、屋根付き駐車場が好まれる傾向があり、1階がカーポートになっているマンションタイプが特に人気です。

番外編、いかがだったでしょうか。

長崎県・鹿児島県の詳細は、今後本編で取り上げていきたいです。


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