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社宅の知識

【人事・総務のための福利厚生】連載②エンゲージメントと福利厚生の関係(2)

【人事・総務のための福利厚生】連載②エンゲージメントと福利厚生の関係(2)

前回から連載が開始されました「人事・総務のための福利厚生」です。福利厚生をわかりやすく解説しますので、人事・総務以外の方にも楽しんでいただけます。
私は、福利厚生専門誌「旬刊福利厚生」を発行する株式会社労務研究所の可児俊信(かにとしのぶ)です。福利厚生の事例の蓄積からたくさんお伝えします。
手伝っていただくのが、ハウスメイトパートナーズ従業員のSさんです。


【前回の記事はコチラ】

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S

Sです。よろしくお願いします。

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可児

可児俊信です。前回はエンゲージメントのうち、従業員エンゲージメントは会社と従業員の相互の信頼関係があることが前提であり、信頼関係は従業員が「会社は自分のことを見ていてくれる」「会社は自分を支援してくれている」という感覚を持つことが重要と話しました。

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S

今日はどうしたら、従業員がそういう感覚を持てるかという話ですね。

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可児

そうです。「旬刊福利厚生」が2021年7月下旬号で取材した事例です。福利厚生を活用している都内にある従業員数50名ほどのIT企業です。同社の社長は、元エンジニアで当時に自分が欲しかった福利厚生を導入しています。

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S

従業員のニーズをよく分かっているんですね。

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可児

この会社は、従業員数がまだ多くないので、社長と従業員との直接のコミュニケーションが可能です。立ち話とか、会食とかです。でも、直接対面でのニーズ吸い上げ以外にアンケートをとるのもひとつの方法です。

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S

どんな方法がありますか?

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可児

労働組合のある会社なら、労使の公式・非公式の話し合いの場ですね。または労組に組合員へのアンケートを依頼することもあります。従業員からの提案を募集する「目安箱」という手法もあります。匿名なので安心して応募できます。またはウエブ上で従業員の声を受け付ける仕組みを作ることも可能です。エンゲージメントサーベイの中に自由記入欄を設けることもできます。

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S

従業員の望む福利厚生を取り入れることができますね。取材した会社では、具体的にどんな福利厚生がありますか。

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可児

花粉症・熱中症の費用補助、資格取得支援制度、リフレッシュ休暇(一時金も支給)、サークル活動時の費用補助、ITスキル向上のための勉強会の費用補助(書籍やサーバ構築などの機材支援やドメイン取得等)、ゲームクリエイターを目指す従業員への最新ソフト提供、懇親会、従業員旅行の費用全額負担、業務遂行時に悪影響を与える症状についての医療費の補助などです。

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S

花粉症費用補助とは?

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可児

花粉症の従業員が6~7割と多いため、マスクや花粉症対策グッズ・治療費を補助しています。従業員がグッズのレシートを写真で送信すれば、給与で精算されます。熱中症費用補助は、炎天下での営業、一方で冷えるオフィスでの執務に対処するため、熱中症対策に必要な飲料、タオル、飴、ひざかけ、カーディガンの購入等に対して費用補助を行っています。ほぼすべての従業員が活用している制度です。

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S

それは助かりますね!では資格取得支援制度はどのような内容でしょうか。

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可児

受験料の負担や教材の貸し出しを通じ、各種IT資格をはじめ、国家資格や民間資格の取得へのチャレンジを後押ししています。その意欲と努力に報いるため、試験が不合格となった際にも受験・教材費用を支給するのが大きな特徴です。

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S

他の会社の資格取得支援制度では、合格したら補助が出ることが多いですよね。

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可児

また有志での勉強会に対し、サーバ機器やドメイン取得などに掛かる費用も補助しています。グローバル化への人材対応として、外国籍の従業員を採用する際に、就労ビザ取得費用を補助しています。必要に応じて入国管理局への同伴も実施し、細やかにフォローしています。

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S

多様な費用支援制度が用意されていますね。

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可児

従業員が必要としていることを会社が福利厚生で支援する。これが「会社は自分のことを見ていてくれる」「会社は自分を支援してくれている」という感覚に繋がります。給与や賞与は従業員の成果や実績で差が出ます。でも福利厚生は、みんなの頑張りに対しての見返りを全員が平等に受けられるので、従業員が公平に扱われているという実感を持てます。

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S

福利厚生を通じて従業員エンゲージメントを高める方法、よくわかりました。

<終わり>

次回はウェルネス/ウェルビーイングについてお届けします。お楽しみに!

可児 俊信

千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授
株式会社労務研究所 代表取締役/福利厚生専門誌『旬刊福利厚生』発行
企業や官公庁における福利厚生制度のコンサルティングを行う。福利厚生や企業年金などをテーマとした著書、寄稿、講演多数。

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