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社宅の知識

【人事・総務のための福利厚生】連載⑧ハピネスと福利厚生

【人事・総務のための福利厚生】連載⑧ハピネスと福利厚生

好評連載中の「人事・総務のための福利厚生」です。福利厚生をわかりやすく解説しますので、人事・総務以外の方にも楽しんでいただけます。
私は、福利厚生専門誌「旬刊福利厚生」を発行する株式会社労務研究所の可児俊信(かにとしのぶ)です。福利厚生の事例の蓄積からたくさんお伝えします。
手伝っていただくのが、ハウスメイトパートナーズ従業員のSさんです。


【前回の記事はコチラ】

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S

Sです。よろしくお願いします。この連載では、最近、よく耳にする人事用語を取り上げています。今日はハピネスだそうです。ハピネスは日本語では幸福ですね。

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可児

人事用語として使うときは、あえて幸福でなく「ハピネス」といいます。日常用語ではなく人事用語だとわかるようにしているのでしょう。ハピネスは一時的な感情的な喜びや満足感を指します。「うれしい」「楽しい」「満足した」といった感情です。

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S

ウェルビーイングとは、どう異なりますか?

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可児

ハピネスが一時的な感情なのに対して、ウェルビーイングは進行形であるとおり持続的に充実した状態、つまり身体、メンタル、人間関係、経済が満たされた状態です。ハピネスは一時的な幸福、ウェルビーイングは持続的な幸福として区別する人もいます。

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S

だったら、従業員にはハピネスではなくウェルビーイングを推進すればよいのではないですか?

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可児

ウェルビーイングだけではなく、ハピネスも重要という考え方があるんです。ハピネスになるには4つの心理的要因があるとされます。この4つを満たすと、幸せになりやすいということが確かめられています。
まずは、「自己実現」とその過程での「成長」です。目標に向けて働く、その過程で社員本人が成長します。やりがいに近いです。権限を委譲することで部下にも自己実現の機会を与えることができ、部下もハピネスになります。
次に、「繋がり」です。会社内での他の社員との繋がり、取引先との繋がりを実感することです。その中で周りの人間への「感謝」が生まれます。働き甲斐につながるものです。ハピネスは社員のエンゲージメントを引き上げる効果もあるといえます。
3つ目は、「前向き」です。前向きに取り組むことは成功と成長には欠かせません。
最後は、「独立」です。自分らしさをしっかり持ち、自分らしく働くことです。自分らしくとは個性です。

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S

4つの因子には、かなり研究者の主観が入っているように思えます。

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可児

人によって、これまでの経験が異なるのでハピネスの構成要因は異なるのでしょう。でも、この4つがあればハピネスになれ、エンゲージメントの向上につながります。社員にハピネスをもたらす支援ができるのが福利厚生制度です。
まず「繋がり」、これは福利厚生が得意とするところです。クラブ活動、社員イベントの実施によって社員の間にコミュニケーション、つながりをもたらすきっかけになります。また余暇支援をつうじて、家族とのつながりも強めることもできます。
「自己実現」の機会の提供も、福利厚生で提供できます。福利厚生パッケージやカフェテリアプランによって、社員へ自己実現機会を提供できます。特にカフェテリアプランは会社が費用を福利厚生で補助する仕組みです。自分のお金ではできないようなことも、会社の補助で実現できます。
「独立」という因子も最近の福利厚生、具体的には福利厚生パッケージやカフェテリアプランは会社から与えられた福利厚生ではなく、自分で選んでいくものなので、自立性を求めているものです。その意味で選択性のある福利厚生は、「独立」をはぐくむものといえます。

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S

ウェルビーイングはかなり普及している中で、会社として社員のハピネスをめざすという打ち出しはありですね。

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可児

福利厚生がハピネスを実現する助けになります。

<次回へ続く>

可児 俊信

千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授
株式会社労務研究所 代表取締役/福利厚生専門誌『旬刊福利厚生』発行
企業や官公庁における福利厚生制度のコンサルティングを行う。福利厚生や企業年金などをテーマとした著書、寄稿、講演多数。

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