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社宅の知識

【人事・総務のための福利厚生】《連載④》社宅規程の重要ポイント再点検~入居対象者

【人事・総務のための福利厚生】《連載④》社宅規程の重要ポイント再点検~入居対象者

社宅管理のご担当者・責任者の皆さんに、福利厚生に関する情報をさまざまな角度からお届けする「人事・総務のための福利厚生」。4回目となる今回は、社宅規程について説明します。

社宅規程の見直しの必要性

皆さんの会社の社宅規程はいつ頃制定されたものでしょうか?ある調査では5割弱の規程が20年以上前につくられ、3割が10~20年前につくられていました。規程改定は社内手続きが煩雑であるうえ、従業員・労働組合との調整を伴うことからなかなか手がつかず放置されていることもあります。しかし、社会の変化の中で、規程を見直さないことはトラブルのもとでありリスクを含んでいます。

この連載では、トラブルを未然に防止できるよう社宅規程の重要ないくつかの事項について点検します。必要に応じて見直しアップデートしてください。

今回は入居者に関する事項を点検します。

社宅の目的と入居対象者

社宅は、その人事上の目的から転勤社宅と厚生社宅に分けられます。それ以外に、役員社宅や災害発生に備え社員を本社近くに住まわせる緊急出勤目的もあります。

転勤社宅は転居を伴い異動する従業員に、経済的・時間的および手続き的な負担をかけさせないことが目的です。これにより人事異動が円滑に行われます。

厚生社宅は、従業員の満足度を引き上げ定着率を高めることが目的です。社宅使用料を低く抑えることで住居費負担が軽減し、持ち家取得のために頭金貯蓄につながるという持ち家取得支援の一環でもあります。また社宅を保有する会社では、社宅稼働率を引き上げて維持費負担を軽減する目的もあります。

では、規程上、入居対象者はどのように表現されているでしょうか。

転勤社宅であれば、「社命により転勤する社員で、通勤可能区域内に自宅を持たず、本規程に定める入居資格を満たし、本規程に定める手続きで入居を認められた者」となります。厚生社宅であれば「社命により転勤」の要件はなく、転勤の有無にかかわらず入居できます。

「通勤可能区域」は通勤時間または距離で判定されています。2時間とする規程が多いようですが、ワークライフバランスの観点から再検討が必要です。在宅勤務の社員では、逆にあまりこだわりはないかもしれません。また転勤してもリモートで勤務できるのであれば、本社に勤務したまま地方拠点に転勤することも可能です。すると「通勤可能区域」という判定基準ではなく、転勤先に出勤しなくとも業務に支障がないかが判定基準となるでしょう。

入居同居者の範囲

厚生社宅の入居資格は、勤続年数・年齢、同居する配偶者または家族の有無等の要件があります。同居できる同居人の範囲も定めておきます。「配偶者、子、本人または配偶者の親、扶養する親族」が一般的でしょう。基準家賃を家族数ごとに設定している規程では、同居人の範囲を広げるほど事業主の社宅費用負担が重くなるうえ、同居人が多いほど何らかのトラブルまたは交渉事が増えるため、会社としては範囲は広げたくないところです。

入居者のトラブル防止のために入居時に社宅入居誓約書の提出を義務づけるのも有効です。一般的には、1. 社宅規程を遵守する、2. 会社に損害を与えない、3. 他の入居者に迷惑をかけない、4. 立ち退きの際に原状に復する、といった漠然とした誓約内容となっていることが多く、解釈の違いによるトラブルの発生する懸念があります。誓約書または社宅規程のいずれかにより具体的に記述するのが望ましいです。

可児 俊信

千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授
株式会社労務研究所 代表取締役/福利厚生専門誌『旬刊福利厚生』発行
企業や官公庁における福利厚生制度のコンサルティングを行う。福利厚生や企業年金などをテーマとした著書、寄稿、講演多数。

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