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【暮らしに役立つ心理学】新たなチャレンジを応援する心理学

【暮らしに役立つ心理学】新たなチャレンジを応援する心理学

4月から新年度がスタートし、職場や学校で後輩ができた人も多いと思います。
後輩にとっては、未知の舞台でチャレンジの日々がはじまります。
新しいことや困難なことに挑戦する人に、先輩はどのように声をかけてあげるべきでしょうか?

アメリカのある研究によると、事前に与えられる情報によって、ものごとの感じ方が変わることが明らかになっています。

キニーネという苦い成分の味を評価させた実験では、あらかじめ実験参加者たちに「とても不快な味がする」「少し不快な味がする」といったように、それぞれ味についての情報が与えられました。その結果、事前に「とても不快な味がする」という情報を与えられた実験参加者は、「少し不快な味がする」という情報を与えられた実験参加者と比べ、味についてより苦いと評価することがわかったのです。

新しいことや困難なことに挑戦するときにも、多少なりとも苦い経験がついてくるものですが、それを実際よりも苦く感じさせてしまうのは考えものです。
先輩としては、老婆心から「難しいよ」「大変だよ」などと忠告したくなることもありますが、それがマイナスの思い込みにつながらないように注意しましょう。


思い込みによって感じ方が大きく変わってしまう例は、ほかにもたくさんあります。

ある実験では、実験参加者に痛みを伴う電気ショックを与えたあと、痛み止めを飲ませて、どのくらい痛みがおさまったかを評価させています。その際に、高価な痛み止めを飲んだ人は、85%の割合でかなり痛みがおさまったと答えたのですが、安価な痛み止めを飲んだ人は、61%の割合でしか痛みがおさまりませんでした。
この実験のおもしろいところは、高価な痛み止めも、安価な痛み止めも、じつは痛みを和らげる成分が入っていない偽薬(プラセボ)だったことです。

上記は「プラセボ効果」として知られていますが、日常生活やビジネスにおいても、思い込みがプラスに作用することは多々あります。

たとえば、後輩が新しいことや困難なことに挑戦するときに、先輩が「大丈夫、あなたならきっとできる!」と声をかけてあげるのはどうでしょうか?
「難しいよ」「大変だよ」といった忠告よりも、きっと心の良薬になるはずです。

どうせなら、マイナスではなくプラスの思い込みをしてもらいたいですね。

illustration:タダトモミ

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