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【暮らしに役立つ心理学】職場での「頼みごと」の心理学

【暮らしに役立つ心理学】職場での「頼みごと」の心理学

4月から新年度を迎え、新社会人になったり、部署を異動したりと、新しい職場に身を置いた人もいるのではないでしょうか。
未知の環境で仕事をするときは、わからないことばかりで、周囲の人に頼りたくなるシーンも多々あるもの。
とはいえ、まだ周りとの関係性ができていないから頼みごとをしづらい…と感じる人も多いと思います。
しかし、そこで躊躇してはいけません。
頼みごとをするのは、職場の人と打ち解けるチャンスでもあるからです。

アメリカの政治家、ベンジャミン・フランクリンは、対立する議員に協力をしてもらいたいときに、まず貴重な本を借りたといいます。
本を貸した議員は、それをきっかけに、フランクリンに協力的になったそうです。
なぜ協力的になってくれたのでしょうか?
まず「嫌いな相手に対し、親切にした」ということは、認知と行動に矛盾が生じます。
矛盾が生じたままでは気持ちが悪いので、人はその状態を解消しようとします。
そこで知らず知らずに「好きな相手だから親切にした」と認知を変えたのです。


こういった心の動きを「フランクリン効果」といいますが、もともとネガティブな関係ではなくても、頼みごとをきっかけに距離が縮まり、関係性が深まることは仕事の現場でもよくあるシーンだと思います。

では、頼みごとをされる側はどうでしょうか。
ポジティブ心理学の研究によると、他者に親切な行動をとることは、自分自身の幸福度を高める効果があるとされています。
職場で同僚や後輩が困っているときは、業務上必要だから対応するというよりは、作為なく親切にしてあげることをおすすめします。
また仕事を離れても、ちょっとしたプレゼントをする、忘れ物を届けてあげる、道案内をする……といったように、日常生活のなかでいろいろな親切ができます。

こういった親切な行動をとったあと、自分の気持ちがどう変わったか、感じてみてください。
きっと、心が晴々としているはずです。
親切は相手だけではなく、自分も幸せにしてくれるのです。

仕事に頼みごとはつきものですが、それをきっかけに人間関係が円滑になったり、幸せな気持ちになれたりするといいですね。

illustration:タダトモミ

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