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みんなの疑問

【本当にあった!社宅のトラブル集~退去時編~】ケース①喫煙による原状回復費用の高額請求?!

【本当にあった!社宅のトラブル集~退去時編~】ケース①喫煙による原状回復費用の高額請求?!

物件の賃貸管理を主幹事業とするハウスメイトで、実際にあった社宅に関するトラブルをシリーズでご紹介していきます。今回は、物件解約時のトラブルで第1位となっている「喫煙による原状回復費用の請求」についてご説明します。
年間約2万件の社宅の解約を担当するスタッフが、喫煙による高額請求の事例や現在増えている電子タバコでの請求事例などをご紹介しますので、喫煙される方や社宅のご担当者はぜひ参考にしてください。

室内での喫煙は要注意!

喫煙される方には耳の痛い話かもしれませんが、室内でタバコを吸うと、タバコのヤニで室内のクロスが変色したり、タバコの臭いがしみついてしまったりします。 それだけでなく、エアコンの表面がヤニで黄ばんでしまう、ドア扉がヤニで変色してしまうというようなことも見られます。

喫煙によるクロスの変色や臭いなどは、入居者の「善管注意義務違反」にあたるため、退去時のクロスの張り替え、消臭、拭き上げなどにかかる費用=原状回復費用は、一般的に入居者の負担が妥当と考えられています。

社宅の場合、原状回復費用を会社が負担するか入居者が負担するかは、会社ごとの「社宅規程」で決まっていますが、喫煙が原因の原状回復費用については、弊社お取引先企業様の約7割が入居者負担としているのが実情です。

では実際に、原状回復費用がどのくらいかかるかというと、単身者向けの1Kや1Rの場合、クロスの張り替え費用だけで一般的に7、8万円になります。
部屋が広くなるとクロスを張り替える場所も増えるので必然的に高額となり、これは3LDKの物件で実際にあった話なのですが、1つの部屋でしか喫煙していなかったはずなのに他の部屋にまで影響が出て、請求金額が約40万円!といったケースもありました。

原状回復費は入居時の「敷金」で相殺されます。ですが、喫煙によるの原状回復費は敷金では賄えないことも多く、ほとんどの場合、追加請求が発生しています。

また、入居者の方から以下のようなご質問をいただくこともあります。
「国土交通省のガイドライン※では、壁(クロス)は『6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する。』とされているのではないか?」「同じ部屋に6年住んでいれば経年年数が考慮され、壁(クロス)の価値は1円となり、入居者がクロスの費用を負担する必要はないのではないか?」

同ガイドラインでは「喫煙等によりクロス等がヤニで変色したり臭いが付着している場合は、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと考えられる。」とされています。
このことから、喫煙が原因の場合には、6年間同じ部屋に住んでいてもクロスの張り替えなどの原状回復費用は、入居者負担となることが多くなりますので、ご注意ください。入居者負担の場合、費用は減価償却の考え方を踏まえて貸主との協議で決定されます。

※国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)』(平成23年8月)より

換気扇の下で吸っているのですが…

喫煙者の中には「タバコは換気扇の下で吸っている」という方もいらっしゃいますよね。

換気扇の下で喫煙されている場合、退去の立ち会いで室内に入ると、キッチンのクロスが変色していたり、換気扇の周りにタバコの臭いが残っていたりします。
それだけでなく、換気扇にタバコの臭いがしみついてしまったり、ダクトを伝って他の部屋に臭いが入ってしまうこともあります。

このような場合、クロスを張り替える範囲が少なく抑えられたとしても、消臭や吹き上げなど他の費用がかさむことがありますので、注意が必要です。

室外(ベランダ)ならいいの?

「換気扇の下がダメなら、ベランダに出て吸えば…」と考える方もいらっしゃると思います。

ですが、ベランダで喫煙することで、今度は別のトラブルが発生します。
それは、タバコの煙による近隣からの苦情です。

弊社にはクレームを処理する部がありますが、ベランダ喫煙についてのクレームは多数入っていますので、ベランダでの喫煙は避けてください

電子タバコは大丈夫?

近年利用者の多い電子タバコ(VAPE)やIQOS(アイコス)などの加熱式タバコは、一般的に紙巻タバコよりも煙も臭いも少ないといわれています。
またwebサイトにある不動産関連情報の多くには「電子タバコであれば室内で吸っても大丈夫」と書かれています。

ですが、退去の立ち会いを行うと、電子タバコでも喫煙されている場合は、うっすらクロスが黄ばんでいたり、タバコの臭いがしたりすることがよくあり、実際には、クロスの張り替え、消臭、吹き上げなどが必要になります。

一般的なwebサイトの情報をご覧になり「電子タバコなら大丈夫!」と思わている方が多く、クロスの張り替えなどについてお伝えすると驚かれるのですが、電子タバコや加熱式タバコであっても善管注意義務違反にあたり、原状回復費用は一般的に入居者負担が妥当となりますので、ご承知おきください。


さて、喫煙される方には厳しいお話が多かったと思いますが、いかがでしたか?
今回の記事を参考にしながら、入居時にお渡ししている『社宅入居マニュアル』について、今一度よくお読みいただければと思います。様々な情報を事前に知っていただくことで、退去時のトラブルを減らすことができれば幸いです。


ハウスメイト 法人事業本部 代行課 妹尾 昌弘

2013年、ハウスメイトパートナーズ入社。3年間契約課に従事した後、ハウスメイトショップやハウスメイトマネジメントを経て、2021年10月より現職。年間約2万件の社宅解約業務を担当する。

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