ハウスメイト

  • facebook
  • twitter

社宅の知識

【人事・総務のための福利厚生】連載③ウェルネス/ウェルビーイングと福利厚生

【人事・総務のための福利厚生】連載③ウェルネス/ウェルビーイングと福利厚生

好評連載中の「人事・総務のための福利厚生」です。福利厚生をわかりやすく解説しますので、人事・総務以外の方にも楽しんでいただけます。
私は、福利厚生専門誌「旬刊福利厚生」を発行する株式会社労務研究所の可児俊信(かにとしのぶ)です。福利厚生の事例の蓄積からたくさんお伝えします。
手伝っていただくのが、ハウスメイトパートナーズ従業員のSさんです。


【前回の記事はコチラ】

icon

S

Sです。よろしくお願いします。この連載では、最近よく耳にする人事用語を取り上げています。前回はエンゲージメントでした。

icon

可児

今回はウェルネス/ウェルビーイングです。

icon

S

これもよく耳にしますが、われわれ従業員にとってどうなることを意味するのでしょう?そもそも、ウェルネスとウェルビーイングってどう違いますか?

icon

可児

こうした横文字の人事用語は海外での研究結果が日本に入ってきて書籍等で紹介され、さらにHRサービス事業者がさらに広めます。その過程で、解釈が拡大します。

icon

S

定義はないのですか?

icon

可児

もちろん、最初に提唱した経営学者はしっかり定義づけしています。でも、その用語が日本に入り、普及しているうちに解釈が広がっていきました。
まず、ウェルビーイングは進行形なので、ウェルネスが継続的に続いている状態がウェルビーイングといえます。会社として従業員がこうあって欲しいという状態です。

icon

S

ウェルビーイングとは何ですか?

icon

可児

もともと、心と体の健康、心身の健全性です。実際にその意味でウェルビーイングを使っている人もいます。

icon

S

なぜ、わざわざウェルビーイングと言われ始めたのですか?

icon

可児

「健康経営」は、仕事に専念でき、成果を上げるためには、心身の健康が欠かせないという考えのもと、会社がそれを支援しようという人財戦略です。一方ウェルビーイングは、心身の健全性だけでは、まだまだ不十分だという主張です。

icon

S

体以外の健全性?

icon

可児

従業員が家族や職場の人間、地域の人間との人間関係がうまくいっていること、これがソーシャルウェルビーイングですが、これも仕事への専念には欠かせないとしています。また従業員が希望するライフプラン設計や資産形成が上手くいき、将来の不安がないこと、これがフィナンシャルウェルビーイングです。

icon

S

確かに家族と人間関係が上手くいってなかったり、将来に経済的不安があったりすると、仕事に専念できませんね。

icon

可児

従業員を取り巻くすべてが上手くいっていることが重要で、その状態が継続していることをウェルビーイングといいます。

icon

S

どうしたら、ウェルビーイングが実現できますか?

icon

可児

福利厚生をはじめとする人事施策を効果的に実施することです。心身の健康については、多くの職場が健康経営という意識で疾病予防や健康増進の福利厚生施策に取り組んでいます。国も定期健康診断、ストレスチェック、メタボ健診などを義務づけています。
職場で財形や持株会、イデコ、つみたてNISAの加入を促し資産形成を支援する福利厚生も以前から行われています。ライフプランセミナーを開催して、ライフプランニングの重要性に気づかせるといったことも行われてきました。

icon

S

クラブ活動もソーシャルウェルビーイング施策ですね。

icon

可児

そうです。社内のクラブ活動を費用支援したり、会社が主体的にイベントを開催したり、社員旅行もソーシャルウェルビーイングを実現する福利厚生です。これまでも、社内のコミュニケーションを活性化する福利厚生施策や、資産形成を支援する福利厚生施策などがありました。ウェルビーイングでは、健康支援、コミュニケーション支援、資産形成支援のすべてが、従業員が仕事に専念でき労働生産性を一層引き上げる施策であると明確に位置づけられたことになります。

icon

S

見方を変えれば、今までやってきた福利厚生施策の目的が労働生産性の向上でもあると、よりはっきりしたということですね。

icon

可児

福利厚生施策は従業員満足度の向上、従業員エンゲージメントの強化が大きな目的であることはいうまでもありませんが、それ以外にも労働生産性向上の手段でもあるとするのがウェルビーイングです。

<次回へ続く>

可児 俊信

千葉商科大学会計大学院会計ファイナンス研究科 教授
株式会社労務研究所 代表取締役/福利厚生専門誌『旬刊福利厚生』発行
企業や官公庁における福利厚生制度のコンサルティングを行う。福利厚生や企業年金などをテーマとした著書、寄稿、講演多数。

関連キーワード

SNSシェア

あわせて読みたい関連記事

おすすめ記事