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【知り隊!会社訪問】オハヨー乳業株式会社様

【知り隊!会社訪問】オハヨー乳業株式会社様

マーケティング戦略本部 カテゴリー戦略部 広報課課長 野﨑 雅徳さん
マーケティング戦略本部 カテゴリー戦略部 デザート企画課 織田 愛海さん

ホンモノのおいしさでみんなを笑顔に

多くのファンから愛される魅惑のデザートをはじめ、私たちの食卓をおいしく彩る商品を展開するオハヨー乳業株式会社。今回は広報を担当する野﨑雅徳さんと、デザートの企画やマーケティングを担う織田愛海さんに、同社の人気商品の誕生秘話や知られざるこだわりについて伺いました。

焼プリンに込められたオハヨー乳業の想い

野﨑:当社は1953年に、岡山県で創業しました。県内で牛乳の宅配を手がけ、「オハヨー牛乳」という商品名にちなんで、「今朝もオハヨーさんが牛乳を届けてくれたよ」といったように地域で親しまれていたそうです。そんな背景もあって1957年にオハヨー乳業という名前にしたのですが、あいさつ言葉が入っている社名は珍しいかもしれませんね。現在は牛乳をはじめとする各種飲料に、プリン、ヨーグルト、アイスクリームといった商品を、岡山県の2つの工場と茨城県の関東工場から日本全国にお届けしています。

直火オーブンでじっくり丁寧に焼き上げた「新鮮卵のこんがり焼プリン」。

織田:数ある商品のなかでも、1992年に誕生し、今年30周年を迎えた「焼プリン」には、当社を象徴するようなエピソードがあります。かつてはプリンといえばゼラチンなどで固めるゲルプリンが一般的で、大人も楽しめるデザートというより、子どものおやつというイメージを持つ人がほとんどでした。本格的な焼プリンは、一部の喫茶店や専門店でしか食べられなかったんです。その当時、当社の社員がヨーロッパを視察した際に、食事を締めくくるデザートを食べながら家族みんなで会話を楽しんでいるシーンを目の当たりにして、感銘を受けたそうです。こんな素敵な光景を日本でも実現させたい、新しい食文化をつくりたいという強い想いのもと、1979年に焼プリンの開発がはじまりました。

野﨑:しかし焼プリンの開発は、困難の連続でした。たとえば、スーパーマーケットをはじめとする量販店で全国流通させるために、2週間の賞味期間を確保するという課題がありました。ところが試作品は3、4日しか持たず、研究を重ねても1週間が限界だったんです。そんな大きな壁にぶつかり、研究が中断する期間もありましたが、開発者は決して諦めませんでした。やがて、蒸プリンなどほかの商品の開発に取り組んでいるうちに、焼プリンに応用できる画期的なアイデアをひらめいたそうです。卵と牛乳を分けて殺菌するなど、さまざまな工夫を凝らし、13年もの研究の末に商品化が実現しました。

織田:素材にもこだわり、指定農家から届く新鮮な殻つき卵を使っています。デザートの工場では加工しやすい液卵(殻を取り除いて中身だけにした鶏卵)を仕入れて使うのが一般的なのですが、当社では自社工場に割卵機を導入しています。割卵機は毎回必ず分解し、丁寧に洗浄しているため、効率的とはいえないかもしれませんが、おいしい焼プリンをつくるためには欠かせない工程なんです。

野﨑:生産農家のもとに担当者が足を運び、生産環境をしっかりチェックした上で仕入れていますので、品質には自信を持っています。実際、割ったばかりの卵の黄身は箸でつまんで持ち上げられるほど弾力があり、「新鮮卵のこんがり焼プリン」という商品名に偽りはありません(笑)。焼プリンに限らず、当社の商品は原材料から「ホンモノ」を使うことにこだわっており、2017年から使用している当社のロゴにも、「ホンモノは、おいしい。」というメッセージを添えています。

織田:香ばしい焼き目も、ホンモノならではの特徴です。当時は、ガラスやアルミの容器で、しかもまだらに焦げ目のついたものしかなく、量販店への輸送に適したプラスチック容器で、なおかつきれいな焼き目を実現するのは困難を極めました。それでも諦めず研究を続けたところ、試作品の失敗作からヒントを得て、1年がかりで焼き目をつけることに成功したと聞いています。私はこの話を入社後に知ったのですが、「自分もこんな商品づくりに携わりたい!」と感動したのを覚えています。こういった商品に込められた想いや、品質や製法についてのこだわりを知った上で食べると、また味わいが深まってくるから不思議ですね。

デザートの魅力をもっと伝えたい

野﨑:企画や開発のポイントは商品によってさまざまですが、お客様に提供できる価値を考え抜くことに違いはありません。食べることで幸せになったり、癒されたりといったデザートの効能を、どんな味わいや食感で引き出すのか、そして「ホンモノのおいしさ」をどう提供するのかといったことは、いつも議論しています。そんな商品づくりの背景についてもお客様にお伝えできれば、もっとおいしく食べていただけるのではないでしょうか。

2022年5月25日の「プリンの日」に「記念日文化功労賞」を受賞。同社が制定したプリンの日が多くの人々に好感を持って受け入れられ、記念日文化の発展に貢献したことなどが評価された。

織田:そこで焼プリンの30周年を記念して特設サイト(https://www.ohayo-milk.co.jp/brand/yakipurin/)を公開しました。焼プリンの工場をWeb上で見学できるコンテンツが好評で、原料の準備から出荷までのさまざまな工程を紹介しています。私たちのこだわりを知ってくださったお客様にも好評で、大変嬉しく思います。今後も内容を充実させていきますので、ぜひご覧ください。

野﨑:お客様とのコミュニケーションとしては、2010年に日本記念日協会に登録させていただいた「プリンの日」もだんだん浸透してきました。「プリンを食べると思わずにっこりする(にっこり=25)」という語呂合わせで、毎月25日を「プリンの日」に制定したんです。記念日をきっかけに、もっとプリンを身近に楽しんでいただきたくて。地域の小売業や洋菓子店の皆様から「プリンの日を活用したい」というお問い合わせをいただくことも多く、業界全体でプリンを取り巻く環境を盛り上げたいと考えています。

織田:毎月25日にSNSを覗くと、プリンの思い出やプリンに関するイラストを目にすることもあるんです。「25日はダイエットなんか気にせずにプリンを食べよう!」といった投稿を見たときは、思わず共感してしまいました(笑)。

ホンモノにこだわった商品づくり

同社の「デザートを焼く」という発想は、焼プリンだけにとどまらず、プレミアムアイスの「BRULEE(ブリュレ)」や、焼スイーツの「クレームカラメル」「クリームチーズ」にも活かされています。

野﨑:じつはアイスを焼くことには30年以上前からチャレンジしており、その一つであるBRULEEも構想から商品化までに7年の年月がかかっています。特許を取得した独自製法で表面を焼くことで、クレームブリュレ(フランスなどで親しまれているデザート)の特徴であるパリパリした食感や美しくも香ばしい焼き目を再現することができました。「なぜアイスをわざわざ焼いたの?」とよく聞かれますが、それは「ブリュレ風」ではなく、ホンモノであることにこだわったからです。その甲斐あって大きな反響をいただき、発売当初から生産が追いつかず、半年間、販売休止にせざるを得ないほどでした。

織田:焼くデザート以外にも、こだわりの商品はたくさんあります。私は以前、ヨーグルトを開発する部署にいたので、「ぜいたく果実」というヨーグルトのシリーズや、「ぜいたく生乳ヨーグルト」といった商品も紹介させてください(笑)。ぜいたく果実は、生産農家を訪れて選りすぐったフルーツを使用しています。フルーツ本来のおいしさを損なわないように、加工技術から独自に開発しています。ぜいたく生乳ヨーグルトは、濃厚な味わいが魅力なのですが、生乳と砂糖だけでつくっており、ほかの素材は加えていません。生乳中の水分を取り除く「低温濃縮製法」によってミルクのおいしさを雑味なく引き出していて、個人的にも大好きな商品です。

健康であってこその笑顔も大切に

野﨑:2017年には「医と食のバランスを変える」という10年ビジョンのもと、「ロイテリヨーグルト」という商品を発売しました。おいしく食べるためには、健康であることが欠かせません。ロイテリヨーグルトは口内フローラ(口腔内フローラ)に寄与する機能性表示食品です。本品に含まれる2億個の生きたロイテリ菌は、歯ぐきを丈夫で健康に保つ機能が報告されています。

希少なジャージー乳を贅沢に使用した「ジャージー牛乳プリン」など、ミルクもホンモノのおいしさにこだわる。

織田:ロイテリヨーグルトが誕生した背景には、「食こそがヒトのカラダを毎日支えている」という考えがあります。毎日の食生活の一部としてロイテリヨーグルトを食べていただくために、おいしさにはとことんこだわっています。ヨーグルトにはそれぞれ菌由来の特徴的な風味がありますが、私はロイテリヨーグルトの癖になるような味わいが好きで、毎日食べたくなってしまいます(笑)。実際、お客様からも食べやすい、おいしい、続けやすいという声をいただいています。焼プリンをはじめとするデザートは、おいしさや楽しさ、癒しといった面での笑顔を生みますが、ロイテリヨーグルトは健康であってこその笑顔も生むことができます。どちらの笑顔も、大切にしていきたいですね。

野﨑:当社の商品が、日々の生活の癒しや健康づくりに役立ったり、みんなで楽しく味わうコミュニケーションにつながったりすれば嬉しいですね。にっこり笑顔になっていただきたいという想いを込めて、これからもホンモノのおいしさをお届けします!



野﨑 雅徳(のざき・まさのり)

オハヨー乳業株式会社 マーケティング戦略本部 カテゴリー戦略部 広報課課長
2000年にオハヨー乳業入社。営業、販促、社外でのキャリアを経て、2017年より広報に携わる。

織田 愛海(おだ・あみ)

オハヨー乳業株式会社 マーケティング戦略本部 カテゴリー戦略部 デザート企画課
2017年にオハヨー乳業入社。研究開発本部 飲料・ヨーグルト開発課を経て、2019年よりマーケティング戦略本部に従事する。

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