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2022.06.17
立川志獅丸さんインタビュー/熱いエナジーをくれるB.LEAGUEに感謝!
熱烈なBリーグファンとして知られる落語家の立川志獅丸師匠。Bリーグの発足当初から応援を続け、アルバルク東京の情報を発信するラジオ番組『ALVARK STUDIO』のパーソナリティとしてもおなじみです。
そんな志獅丸師匠に、Bリーグやバスケットボールの魅力、いま注目しているクラブや選手についてお話を伺いました。
──志獅丸師匠は落語会でもよくBリーグのことをお話しになられるそうですね。
落語のまくらでバスケにふれることがあるのですが、一番ウケるのが「24秒は意外と長い」という小咄(こばなし)です。たった24秒でも、バスケの試合ではいろいろなことが起こるんだよって。バスケには、24秒以内にシュートを打たなければいけないルールがありますから。ほかにも、ゴール下には3秒以上いてはいけないとか、ボールを持った選手は5秒以内にパスやドリブルをしないといけないとか、オフェンス側は8秒以内にボールを前に運ばないといけないとか、「ずいぶん忙しいスポーツだねぇ」といった話をしています(笑)。でも、そのスピード感が、バスケの大きな魅力なんです。
──アルバルク東京の2021-22シーズン リーグ戦最終戦では、ハーフタイムに「アルバルク落語」を披露されていましたね。
最終戦ということで感謝の気持ちを込めて、おめでたい「寿限無(じゅげむ)」をアレンジした落語をつくったんです。「寿限無、寿限無、五劫(ごこう)のすりきれ……」と連呼する場面に、選手全員の名前を当てはめたりして(笑)。じつはこの日のアリーナの様子は、今シーズンでも一番印象に残っているんです。昨シーズンの最終戦は、コロナ禍の影響で無観客での試合でしたからね。それだけに、大勢のお客さんを見たときは、胸に迫るものがありました。Bリーグの選手、関係者、そしてもちろんファンの方々も、みんなが努力を積み重ねて、ここまでくることができました。
──志獅丸師匠は『ALVARK STUDIO』のパーソナリティを務められていて、最終戦の応援も力が入ったと思いますが、その対戦相手は奇しくも宇都宮ブレックスでした。師匠は以前出演されていた栃木県のラジオ番組を通じ、ブレックスとも縁が深いと伺っています。
「アルバルクとブレックス、どっちを応援するの?」とよく聞かれます(笑)。でもぼくは、全部のクラブを見るのが好きですね。どのクラブも、それぞれクラブカラーに特色がありますから。
まずアルバルクはBリーグで2連覇を達成したように、自分たちはトップクラブなんだというプライドのもと、日本のバスケットボール界を引っ張っていくような存在です。でも練習なんかは本当に厳しくやっていて、意外と泥臭いところもあるんです。そのギャップも魅力です。
ブレックスは、町全体で応援しているような雰囲気がいいですね。ラジオ番組に出演するために宇都宮によく足を運んでいたときにも感じましたが、地域のファンやスポンサー、メディアや自治体が一体となって戦う「BREX NATION(ブレックスネーション)」というスローガンの通り、みんなでクラブを盛り上げています。
信州ブレイブウォリアーズの今シーズンの戦いぶりも、最後まで諦めない姿勢が随所に見えて印象的でしたね。シーズンを通して、見ている人の胸を熱くする試合を繰り広げていました。ぼくは地方のアリーナにもよく行くのですが、ブレイブウォリアーズのホームゲームをぜひ生で見たくなりました。
今シーズン躍進した島根スサノオマジックも要注目です。2017-18シーズンに初めてB1に昇格しましたが、翌年B2に降格し、2019-20シーズンから再びB1で戦っています。再昇格から3シーズン目を迎えたクラブですが、いまの爆発力ならCHAMPIONSHIP(チャンピオンシップ)でも……と期待してしまいます(取材をおこなったのはリーグ戦の終了直後)。Bリーグは地域色が豊かな点も魅力で、島根県では大いに盛り上がっているでしょうね。
──読者の方々に注目してほしい選手はいますか?
はじめてBリーグを見る方に、ぜひ注目してほしいのは、川崎ブレイブサンダースの藤井祐眞選手です。2019-20シーズンに「レギュラーシーズン ベストファイブ」を受賞したのですが、その他に 「ベスト6thマン賞」と「ベストディフェンダー賞」という異なる役割を対象にした賞を同時受賞したように、どういった状況でもゲームの流れを変えられる魅力があります。バスケの面白さを体現したかのような選手で、「さわやかな泥臭さ」を感じます(笑)。
アルバルクだと、小酒部泰暉(おさかべ たいき)選手の名を挙げたいですね。いまは田中大貴選手がクラブの中心ですが、その背中を追う存在として注目しています。勝負どころでのスリーポイントシュートに加え、近ごろはディフェンスにも凄みを感じます。身体能力が非常に高く、視界の外から飛んでくるようなイメージがあります。日本代表での活躍も大いに期待したくなる選手ですね。
一方、ベテラン選手にも目を向けてほしくて、宇都宮ブレックスの竹内公輔選手、大阪エヴェッサの竹内譲次選手をおすすめします。両選手は兄弟で、ともにBリーグが発足する前からビッグマン(ゴール近くで活躍する長身の選手)として日本を引っ張ってくれました。双子の兄、公輔選手は攻撃から守備に回ったときのスピード感、弟の譲次選手はスリーポイントシュートをはじめ得点力が際立っています。高校時代から2人で「ツインタワー」と呼ばれるほど身長が高く、ぶつかる相手が外国籍の選手でも負けない強さを持っています。だからこそ、日本バスケ界の中心にずっと立てたんだと思います。
いまスサノオマジックでプレーしている安藤誓哉選手も、負けん気の強い感じが大好きです。ぼくがバスケにすっかりハマッたときにブレックスに入ってきた選手で、出身大学も同じだったから勝手に親近感を持っています(笑)。日本代表にも選ばれた名古屋ダイヤモンドドルフィンズの須田侑太郎選手も、安藤選手の少し前にブレックスからプロ入りする形でキャリアをスタートさせましたが、新人のころからよく見ていた選手が活躍すると、やっぱり嬉しいですね。
──たくさんのクラブ名、選手名を挙げていただきました。CHAMPIONSHIPを迎え、これらのクラブや選手の試合を見るのに忙しそうですね。
毎年のことなのですが、CHAMPIONSHIPの時期は常にBリーグのことを考えているような状態になってしまい、落語会の楽屋でも試合の行方をチェックしています。仕事に集中しなさいって、叱られそうですけど(笑)。でも、バスケ仲間と話していても、昼はライブ配信で観戦し、夜は川崎のとどろきアリーナに足を運んで、明日は船橋アリーナに行こうかなって感じで、みんな忙しくも楽しそうですよ。それほど、Bリーグファンにとっては熱い時期です。 CHAMPIONSHIPに限らず、Bリーグにはいつも楽しませてもらっていて、大きなエナジーをいただいています。これからも、熱気あふれる試合を届けてくれることを期待しています!
立川 志獅丸 | Tatekawa Shishimaru
1976年、東京都生まれ。
明治大学農学部を卒業後、一般企業への就職を経て、2002年に立川志らくに弟子入りし、立川らく太として活動をはじめる。12年、二つ目に昇進し、立川志獅丸に改名。19年より真打。
栃木県のラジオ局での仕事がきっかけでバスケットボールに熱中し、いまではBリーグの応援がライフワークに。FMたちかわ『ALVARK STUDIO』(毎週水曜18:45~)にパーソナリティとして出演中。
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