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【地域の賃貸慣習】《第2回北海道編 パート3》雪や寒さの対策も。北海道に住む際の注意点

【地域の賃貸慣習】《第2回北海道編 パート3》雪や寒さの対策も。北海道に住む際の注意点

賃貸管理を主幹事業とする“ハウスメイト”だからこそわかる、地域ごとの「賃貸不動産」の特徴をお届けします!
第2回の北海道編では、道内の賃貸慣習や地域の魅力、居住する上での注意点などを3つのパートに分けて連載しています。

日々の暮らしの注意点

北海道編は、ハウスメイトショップ札幌北大前店の横山司がご案内しています。
パート3では、「北海道に住む際の注意点」についてお知らせします。

水道管凍結・破裂事故

北海道の冬期は、マイナス3~4℃になると木造物件を中心に水道管の凍結・破裂事故が多発します。
北海道編のパート1で「給排水管水抜き処置不足による損害金特約」についてお伝えした通り、いざ事故が発生すると、大きな負担が生じる可能性があります。
最近は、長期間留守にする場合や、特に寒い日を除き、水抜き作業の必要のない物件も増えていますが、どう対策するべきかは物件や立地によってさまざまですので、必ず管理会社に確認するようにしてください。
水抜き作業については、管理会社が簡単なマニュアルを作成し、入居時に配布している場合が多いでしょう。

結露カビによる退去時費用トラブル

北海道の物件は、寒さ対策のため密閉性の高いつくりになっており、結露が発生しやすい環境です。
結露を放置するとカビの発生や窓の凍結の原因になります。
カビについては、退去時の清算の際に費用的なトラブルにつながることも多いため、日ごろから結露に対し、こまめに対策することが大切です。
結露対策についても、水抜き作業と同様に、簡単なマニュアルが用意されていることが多いでしょう。

洗濯物は部屋干しが基本

北海道では、バルコニーのない物件が一般的です。
数少ないバルコニーがある物件でも、雪のある時期は室外で洗濯物を乾かすことができません。
また、最近は新築を中心に浴室乾燥機能付きの物件も見かけるようになりましたが、その数は限られています。
そのため、洗濯物は部屋干しが基本になります。
ほかの地域から転居される方に、「部屋干しだと乾きにくいのでは?」というご質問をよくいただくのですが、冬は暖房が効いており、また暖房の必要のない季節はカラッとした気候であるため、お部屋のなかでも1年を通して洗濯物がよく乾きます。
なお部屋干しに必要な設備については、壁に取り付けるタイプのつっぱり棒や、自立式の物干しスタンドをご入居者様にご用意いただくことが一般的です。

エアコンの設備普及率が低い

単身・ファミリー物件ともに、北海道ではお部屋にエアコンがないのが一般的で、真夏でも換気と扇風機のみで生活している人が大半です。
ほかの地域から転居される方に、「エアコンがなくて本当に大丈夫?」と心配されることもあるのですが、夏場でも朝晩は肌寒い日が多く、湿度も低い地域ですので、基本的には支障なく暮らせると考えてよいでしょう。
以上のような地域柄、「エアコン付きの物件」を希望される場合は、ご紹介できる物件数がかなり少なくなってしまいます。
新築を中心にエアコン付きの物件が徐々に増えてはいますが、「冷房専用エアコン」の場合も多いため注意してください。

プロパンガスの物件が多い

北海道はプロパンガスの物件が多く、札幌市内でも築20年以上の物件では6~7割を占めています。
一般的にプロパンガスは都市ガスよりガス料金が高くなる傾向があるため、都市ガスやオール電化の物件を希望されるお客様が多くいらっしゃいますが、ご紹介できる物件は限られています。
また、都市ガスやオール電化の物件は、同じような間取りのプロパンガスの物件よりも、賃料が高くなりやすいのが実情です。
ガスの利用料金を抑えたぶん賃料が高くなり、かえって負担が大きくなることもありますので、プロパンガスの物件も視野に入れて全体的な収支のバランスを見ながらご検討いただくことをおすすめしています。

FF式ストーブの取り扱い

北海道の物件には、FF式ストーブが標準的に設置されています。
FFはForced Flue(強制給排気式)の略で、空気が汚れづらい仕組みになっています。
そのため、換気の必要がなく、寒冷地では重宝されています。
燃料としては、ガスと灯油を使ったものがあります。
灯油に関しては補給の手間を心配される方もいらっしゃいますが、都市部では専用タンクから自動供給される物件がほとんどです。
灯油を都度購入する必要はなく、料金はメーター検針の上で、後日請求されます。
FF式ストーブには場所の移動ができないというデメリットがありますが、北海道の厳しい寒さを乗り切るための必需品です。

冬場は燃料代がかさみがち

北海道にはじめて住まわれた方から、「冬場の燃料代が高い」という声を伺うことがあります。
確かに冬場は燃料代がかさみがちですが、その一方で夏場にエアコンを使うことがないため、ほかのエリアのように「クーラーの電気代が高い」ということはないでしょう。
物件のタイプや間取りなどにもよりますが、一年を平均した光熱費で考えると、北海道もほかのエリアと大きな差がないといえるのかもしれません。

防水パンと照明はないことが多い

どのような居室共通設備があるかは地域によってさまざまですが、北海道の大きな特徴としては、洗濯機用の防水パンがないことが挙げられます。
そのため、洗濯機は直に置くか、家電量販店などで防水パンを各自ご購入の上で設置いただくことになります。
また各部屋の照明も、備え付けられている物件が少ない傾向にあります。

集合住宅は角部屋より中央寄りの部屋が人気

全国的に見れば、マンションをはじめとする集合住宅は、角部屋の人気が高いのではないでしょうか。
しかし、北海道では中央寄りの部屋が人気です。
最上階や外壁にそった部屋は冬場に寒くなりがちで、中央寄りの部屋ほどあたたかくなりやすいからです。
また、マンションの1階がピロティになっている場合は、2階の部屋は寒くなりやすい傾向があるので注意してください。

マイカー・バイク持ち込み時の注意点


積雪のある期間が長い北海道では、マイカー・バイクの持ち込みについても、いくつか注意事項があります。
夏場の北海道しかご存知のない方が、はじめての冬を迎えて驚かれることも少なくありません。
以下のような注意事項を事前に確認しておきましょう。

冬期の駐車場除雪作業

駐車場の除雪作業の有無については、物件によって異なります。
入居者様ご自身に除雪のご対応をいただく物件が全体の4割程度あり、オーナー様のご対応となる物件は2割程度にとどまります。
残る4割程度は、ロードヒーティングのある物件です。
ロードヒーティングは屋外駐車場の舗装面の下に埋め込まれた電熱線などによって路面をあたためる設備で、融雪や路面の凍結防止を担います。
ロードヒーティングの費用は、ご入居者様、オーナー様のいずれかが負担します。
ご入居者様が負担する場合は、月額3000円程度が目安になるでしょう。

物件外の月極駐車場は除雪作業が困難

降雪の多い地域では、駐車場が敷地内にあるか、敷地の外にあるかで、利便性が大きく変わってきます。
敷地内駐車場の空きがあるかどうかは、必ず確認してください。
「敷地内になくても、月極駐車場を借りるから大丈夫」とおっしゃるお客様も多いのですが、基本的にご自身で除雪作業をすることになるため、雪に慣れていない方には敷地内駐車場の空きのある物件を選ぶことをおすすめしています。
また、特に札幌市内で地下鉄沿線に徒歩でアクセスできる立地を希望される場合は、戸数分の駐車区画が用意されていない物件が多くあるため注意してください。
なおバイクに関しては、市内全域で駐輪スペースが確保されていない物件が大半です。

積雪時期に向けたカー用品の準備

最後に、北海道にはじめて住む方に向けて、積雪時期に向けたカー用品の準備についてご案内します。
1年の半分は雪がある北海道では、スタッドレスタイヤはもちろん、冬用ワイパーや寒冷地用ウォッシャー液といったカー用品が欠かせません。
道外から転居されるのを機に、車両バッテリーやドアのゴムパッキンなどを寒冷地仕様に交換する方もいらっしゃいます。
また、スコップや長靴、車上用ブラシといった除雪用の道具は、1世帯に1セット必要です。
こういった積雪時期の備えは、雪が降る前に済ませておくことが肝心です。

以上のように、今回は北海道に住む際の注意点をお届けしました。
北海道への転居を検討されている方々のご参考になれば幸いです。




ハウスメイトショップ 札幌北大前店  
横山 司
・1991年6月生まれ 30歳
・2016年 ハウスメイト入社 札幌北大前店の仲介営業(現在まで)
・神奈川県相模原市出身
・趣味:ジンギスカン屋巡り・野球観戦・クルージング



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