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【いま注目の情報箱】照明で暮らしもお部屋も変わる! プロに学ぶ 初心者向け照明ガイド

【いま注目の情報箱】照明で暮らしもお部屋も変わる! プロに学ぶ 初心者向け照明ガイド

お部屋の印象を変えたり、暮らしを快適にしたりすることができる照明。
オシャレな照明器具がネット通販などを中心に数多く出回っているので、デザインだけで選んでしまっている方も多いのではないでしょうか?

実は照明には、生活シーンごとに必要な明るさや最適な光の色などがあります。
気に入って購入した照明をいざ点けてみたら「なんか暗い…」なんてことにならないよう、目的に合ったものを選ぶことが大切なんです。

今回は照明のプロが、日々の生活シーンごとに照明を選ぶときのポイントを、照明の基礎知識を交えながらレクチャーします。
新生活を迎えるにあたりお引っ越しや模様替えを考えている方も、これをきっかけに照明に注目してみてはいかがですか?

その1.食事をするとき

ピクニックなど日光の下で食べるお弁当はとてもおいしく感じますよね。それは太陽光が食材の色艶を鮮やかに見せるからです。
照明に使われるランプの中には、自然光と同じようにものの色をよく見せるタイプと、そうではないものがあります。このような色の見え方は「平均演色評価数Ra(アールエー)」で評価され、100が最高値になります。白熱電球はRa100で、LEDランプでは80~90です。LEDでも少し高価なものには90以上のものもあります。

一般に高級なレストランの客席は、「電球色」で演色性の高い光源で照明されます。そして店内全般を暗くしてテーブルの料理が明るく浮かび上がる演出をします。
家庭の食卓も同様な照明が望まれるため、テーブルを効率よく明るくする下面開放のシェード形(見上げると光源が見えるタイプ)の白熱電球、またはLEDのペンダントをテーブル上に吊り下げることが多くなります。ただ高級レストランと違って、家族団らんに相応しい開放的な雰囲気も求められるので、家庭では食卓面だけではなく部屋全般の明かりもあるとよいとされています。

賃貸物件などで食卓上にペンダント形の照明が付けられない場合は、灯部の高さが150㎝くらいで食卓面を効果的に照らす床置きスタンドをテーブル横に置くと代替できます。

食卓を上から照らしてペンダントライト替わりに!スタイリッシュなアームライト

アルミを使用した軽快で高級感のあるイタリアの人気デザイナーのアームライト。シンプルな形態は食卓の横、ソファやベッドの横など置く場所を選ばず活躍します。
● Artemide TOLOMEO LETTURA シルバー(YAMAGIWA)

その2.リモートワークをするとき

すっかり定着した在宅勤務ですが、デスクワークが長時間におよぶと、部屋の照明の善し悪しが目の疲労度に影響します。とくに机上面は十分な明るさと目に悪いまぶしさを抑えた照明が求められます。そのため暗く感じる机上には、LEDのデスクスタンド照明が欠かせません。

デスクスタンドはJIS(日本工業規格)のA形とAA形に準拠した器具が推奨され、なかでもAA形は机上の主要部がオフィスに近い明るさになります。AA形器具をネット通販などで購入する場合には、単に価格やデザインだけではなく、器具の仕様をチェックし、光の色(日中に作業が集中する場合は白い光を推奨)やまぶしさの度合いなど光の質も考慮して選びましょう。

デスクスタンドの中にはアームやヘッド(灯部)で角度などを変えられるタイプがあります。例えばWEB会議のときは光の当て方を工夫することで、PC画面上に映る自分の顔を明るく見せたり、表情を豊かに見せたりすることができます。

また、暗い部屋で机上面だけが明るいと周辺との明暗対比が強すぎて、かえって目が疲れやすくなります。必ずシーリングライトなどで部屋全般を明るくし、さらに目を休めるため適度な休憩を入れることも大切です。

リモートワークにも読書にも!見やすさにこだわった、使いやすくて明るいLEDデスクスタンド

PC画面を見やすい「パソコンくっきり光」、文字を読みやすい「文字くっきり光」をボタンで選べ、明るさも7段階で調整できます。アームや台座など4か所が可動し、細かな角度の調整も簡単です。
● パルック LEDデスクスタンド SQ-LD560(パナソニック)

その3.リビングなどでくつろぐとき

人は日中のように明るく白い光の下で活動的になり、夕日やキャンドルのような暖かな光でリラックスします。
ランプにもさまざまな光色があり、これらは「色温度K(ケルビン)」で数量化されています。例えば2800K前後のLEDは「電球色」といって、白熱電球に似た暖かな光を放ちます。色温度はこれより数値が高くなるほど白から青白い光になります。

リラックスするための照明は「電球色」です。室内にはほどよい明暗のリズムも必要で、さらにまぶしい光が目に入らないようにします。
部屋にシーリングライト(乳白カバー付きなど)を設置する場合は、できれば電球色で調光可能なタイプがよく、それとは別に部屋の広さに応じて電球色のLEDスタンド器具(白熱電球40~100W相当の明るさ)が1~2灯あるとよいでしょう。

スタンド器具といってもデザインが豊富で器具の高さや光の出方もさまざまです。例えば、少し暗くした部屋のコーナーに暖かな光のスポットライト形の器具で観葉植物を明るく照らせば、空間に明るさのリズムが生じてリラックスできます。

調光や調色はもちろん、センター光とパネル光で多彩なシーンを演出するLEDシーリングライト

シーンに合わせて、明るさは100%~約5%、色は昼光色から電球色までリモコンで変更可能。センター光とパネル光(周りの円形部)、全灯も切り替えられます。
● パルック LEDシーリングライト パネルシリーズ 丸型タイプ(パナソニック)

その4.賃貸物件に照明が付いていないとき

引っ越し先のリビングに照明器具が付いていなかった!そんなときは、天井に引っ掛けシーリングという給電口があれば、部屋全般を明るくするシーリングライト(5㎏以下)をご自身で(電気工事の資格がなくても)取り付けることが可能です。
この種の器具は仕様を見ると何畳用と表記されているので、部屋の広さに適したものを選べばJISが推奨するリビングに必要な明るさが得られます。最近では明るさと光色がリモコン操作で簡単に変えられる調光調色型が普及しており、昼と夜で部屋の雰囲気を変えたい場合におすすめです。

またキッチンは、シンクなど作業面を照らす手元灯がないと不自由します。
そこで重宝するのがビス、または両面テープやマグネットを使って棚下などに簡単に取り付けできるLED器具です。おもにLED手元灯とバー形などといわれるライン状のLED器具があり、近くのコンセントにプラグを差し込めば点灯する仕組みになっています。
いずれも作業面に手暗がりが生じにくいタイプを選んでください。1Kのキッチンの棚下に付けるLED器具であれば、直管蛍光灯15~20W相当の明るさを目安にするとよいでしょう。

手をかざすだけで電源をON、OFF操作!マグネットで取り付けられるLEDバーライト

ビスや両面テープ、マグネットで取り付けられるので賃貸物件でも安心。手をかざすと電源だけでなく調光も変更でき、スリムなのにムラなくしっかり照らしてくれます。
● エルパ スリム&フラットLEDライト(朝日電器)

電球を取り替えるならこちら!平均演色評価数(Ra)90で自然光と同じ彩りを再現するLED電球

自然光に近い見え方を再現するLED電球。シリカ電球と同じサイズ※で白熱電球からの取り替え時にも使用でき、光色は電球色、温白色、昼白色、昼光色の4種類から選べます。 ※詳細はパナソニック公式HPにてご確認ください。
● パルック LED電球 プレミアX(パナソニック)





中島 龍興 | Tatsuoki  Nakajima

有限会社中島龍興照明デザイン研究所代表
日本照明学会終身会員、国際照明デザイナー協会会員
著書に『照明 [あかり] の設計 住空間のLighting Design』(建築資料研究社)、『カラー図解 照明のことがわかる本』(日本実業出版社)、『心とカラダにやさしい 魔法の照明術』(永岡書店)など。

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