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【暮らしに役立つ心理学】人に好かれる心理学

【暮らしに役立つ心理学】人に好かれる心理学

ビジネスでもプライベートでも、人には嫌われるより、好かれたほうがいいですよね。人に好かれるのは特別なことだと思われがちですが、ちょっとした心がけ次第で好意を獲得しやすくなります。

心理学では、さまざまな面から、どんな人が好意を持たれやすいかが研究されています。今回は、その成果のなかから、すぐに実行できそうなものをいくつか取り上げます。

まずは、顔を合わせる回数が増えることで好意も増す「単純接触効果」です。顔見知りになった人は、未知の人よりも好ましく感じる、ということは誰にでも経験があると思います。

心理学の面白い実験をご紹介しましょう。この実験では、実験参加者に12枚の顔写真をランダムに見せています。顔写真によって、見せられる回数は0回、1回、2回、5回、10回、25回と異なります。そのあとで、すべての顔写真を並べ、実験参加者に好きだと感じた人物を聞いたところ、見せられた回数が多いほど、好意を持たれやすいことがわかったのです。

日常生活でも、自分に好意を持ってほしい相手がいれば、その人の前に何度も顔を出すことで、好きになってもらえるかもしれません。また、そのときに「気軽に会える人だ」と感じてもらうことも有効です。心理学では「近接の効果」として知られていますが、近くにいて会うために時間や費用がかからない人は、遠くにいて会いにくい人よりも好意を持たれやすい傾向があります。

「相手の近くにいて、何度も顔を合わせる」というアプローチに、自分をうまく演出することを加えれば、さらに効果的です。たとえば、自分と相手が似ているところをアピールしてみてはどうでしょうか。心理学では「類似性の効果」として研究されており、相手と同じような身なりで頼みごとをすると、そうでない場合と比べて、応じてもらいやすくなることがわかっています。

身なりに限らず、出身地や出身校が同じだったり、趣味や興味が共通していたりする相手には、好意を抱きやすくなります。好成績をあげる営業担当者は、多趣味だったり話題が豊富だったりする人が多いといいますが、類似性をアピールしやすいことが要因なのかもしれません。

最後に、「好意の返報性」もおさえておきましょう。これは、誰かに好意を向ければ、自分にもその好意が返ってくることを意味します。心理学では、好意に限らず「返報性の原理」として広く研究されていますが、「なにかをしてもらったら、お返しをしたい」と思うのは自然なことでしょう。相手に好かれたいと思ったら、まずは自分から好意を示すことが大切なのです。

なお、返報性は好意だけではなく、悪意にも働くことがあります。むやみに人を嫌って、「悪意の返報性」を受けないようにしたいものです。

illustration:タダトモミ

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